認知症あるある(1) 関東大震災の記憶
今から20年近く前の話になります。
私が介護職員初任者研修を受けた時のお話です。
スクーリングの終盤は実技に入りますが、私はデーサービスでの
研修に引き続き、3日目、4日目は認知症専門の介護施設で研修を
受けました。
当時は先輩の方の指導のもとに、担当する利用者様が決められて
私が担当したのは
当時90代の認知症のおばあちゃんでした。
一緒にお食事のお世話をしたり、おトイレまでの誘導、お茶の時間には
忙しい職員に変わって、おばあちゃんとタオルをたたんだり(リハビリ)
しながらいろんなお話をしました。
その方は東京の文京区生まれ、なんと、関東大震災を経験した方でした。
現在の記憶は曖昧なのに、当時の記憶は鮮明で、正午ごろの地震のせいで
火の手があちこちから上がり、人々は少しでも風上の方へと逃げたんだそうです。
おばあちゃんはご家族で、広大な敷地のある小石川植物園に逃げたそうですが
夜になり、上野かいわいや下町全体が真っ赤な空に染まり、怖くて家族で固まって
震えていたそうです。
何日か経って家に戻ると、なんとか全焼せずに残ったので、
ご両親の店が燃料屋だったのが幸いで、練炭や炭が飛ぶ様に売れたんだそう。
この為、ひと財産儲けてお店が大きくなったという話を2日間聞かされました。😀
自分の両親も昭和生まれなので、関東大震災の話は初めて聞きました。
今でも鮮明に覚えている貴重な体験でした。
他にも自分が20歳だと思っているおばあちゃんは両親に振袖を買ってもらった
体験を、私のことを母親だと思って話してくださいました。
人間、自分が1番良かった時代はいつまでも忘れないものだということを知りました。
反面、悲しい出来事や、イヤな体験は忘れてしまう、そんな面もあるかと思います。
その後資格を取り、訪問介護の世界に飛び込んで、いろんなご利用者さまから
今度はイヤというほど戦争体験を聞かされました。
私は自分では体験してないくせに、耳年増になっております。💦
どのお年寄りも戦争は1番イヤだ、あんな体験は2度としたくない。
と口を揃えておっしゃいました。
遠く離れてはいますが、ロシアとウクライナの戦争、毎日毎日テレビから
流れる、目を覆いたくなる悲惨な戦争の様子は、私がお年寄りから聞いた話
と大変似ています。
人と人が殺し合うなんて、あってはならないこと。
1日もはやくこの戦争が終わりますように、祈らずにはいられません。
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